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選評 出版関係物故者 放送関係物故者
与志田選2025年総括。ノミネートに入れていない作品から一言。『白日鬼』−蘭郁二郎は海野に並ぶ日本SFの先駆者ということで読んでみたが、本作はミステリ。それも文体および話の展開がいささか乱歩調だったりして新味を感じられず。期待していたほどの驚きに至らず、ちょっとがっかり。 『べらぼう』−登場人物がめちゃくちゃ多いのが難。すべてのキャラが立っているとは言い難く、毎週見ていながら誰が誰なのかわからない。森下佳子は前作「おんな城主 直虎」が意外とよかっただけに正直残念。NHKらしからぬ性的描写が多いのも辟易。 『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』−終始ドタバタじみた展開で、かつて名作を生んできた三谷幸喜らしさがみじんも感じられない。伏線も回収できないまま終わってしまった感じで、これホントに三谷が書いてるのと思わずにはいられない。漫才コンビは解消された後に何かあるかと思いきやそのままだし、強面トニーも警察に捕まってそのまま。一番の難は古巣の劇団との関係。ラストには絶対どんでん返し的な何かがあると思いきや、そのまま終わってしまって、これまでの三谷作品なら絶対あのまま終わらせはしないはずなのにと。設定のせいかもしれないが、画面が終始けばけばしいのもいただけない。三谷自身も信奉する名作「淋しいのはお前だけじゃない」のオマージュであるようだが、出来は到底及んでいない。 『怪獣8号』−第2期ということで、昨年の第1期以上に話が中途半端。こういう編成はやめて欲しい。( 26/01/12 ) <図書部門> 『十八時の音楽浴』(海野十三・早川書房刊) 昨年来、海野の面白さに惹かれ、読みたいと思っていたハヤカワJA版をネットで見つけて思わず購入。本書はSFの短編集で、なかでも表題の「十八時の音楽浴」は今読んでも刺激的な一篇でした。100年近く前にこうした発想ができ、表現できる作家がいたこと自体驚きです。手塚治虫の『アポロの歌』女王シグマの章はここから着想を得ているんじゃないかと思います。一方新刊で購入した『地球盗難』。これは完全にジュブナイルですね。もろに時代感が表に出ていて少々退屈。全編を通してさすがに古臭さは拭えませんでした。ほかにも海野の著作は、河出文庫『盗まれた脳髄 帆村荘六のトンデモ大推理』、少し前の春陽文庫『赤外線男 他6編』も読みました。これらは収録作にダブりが多いです。その中で「断層顔」がこれまた『怪奇大作戦』のネタっぽくてよかったです。 <映像部門> 『ホットスポット』( 1/12〜 3/16・日本テレビ系) 何の事前知識も持ち合わせず見始めたところ、これが結構ハマりました。それぞれにキャラが立っていて、セリフがいかにもあるある。会話劇の秀逸さを感じます。見ていて心地よかったです。 『誘拐の日』( 7/ 8〜 9/ 2・テレビ朝日系) 韓国のドラマがベースのようですが、非常にテンポがよく、連続ドラマとして次はどうなるのかとワクワク感がありました。齋藤工、永尾柚乃の疑似親子コンビが絶妙でした。 『ちょっとだけエスパー』(10/21〜12/16・テレビ朝日系) 秋の編成では見たいと思わせるドラマがめずらしくいくつも重なりましたが、実際見てみるといずれも期待外れ。鳴り物入りの三谷、岡田に差をつけて、唯一これがよかったというところです。
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